トップページ » 新着情報 » 事務所通信 » もりぐち便り~守口市駅前のいち司法書士のつぶやき~

もりぐち便り~守口市駅前のいち司法書士のつぶやき~

 最近まで桜の花を目にしていたように思うのですが、今日はもう暑いくらいですね。たくさん落ちていた桜の花びらを指して、「春がいっぱい落ちてる!」と言った男の子のみずみずしい感性にうなったのは、つい先日のことのように感じるのですが。

 最近は相続人が多数いる相続案件が続き、毎日のように戸籍謄本等の請求をしています。こういう案件を扱うたびに、「遺言書があればよかったのに。」と思わずにはいられません。『兄弟姉妹の代襲相続人の数次相続人』なんて、被相続人は会ったことも無いでしょうからね。

 そんな会ったこともないような人が相続人になり、その方の実印と印鑑証明書が要るのですから、相続というのは場合によっては大変な手続きとなります。面識がなく名前も聞いたことがないような遠い親戚から、突然「家の名義を変えたいから、この書類に実印を押して印鑑証明書をください。」なんて連絡が来たりしたら、あまりいい気はしないと思います。

 しかし、有効な遺言書があれば、残された方々をそのような面倒から遠ざけることができます。ただし、きちんと作成した場合です。今は自分でも書ける遺言書キットが売っていて、それこそ気軽に遺言書を書くことができますが、やはり遺言書を書くからには法的に有効でないといけませんし、それだけではなく、後に残された方々の手をなるべく煩わさずに執行可能な内容であることが望ましいと思います。ですので、遺言書を書く際には最低でも、この遺言書が法的に有効なのか、そして実現可能な内容であり執行が煩雑でないか、こういった観点からのチェックを専門家に受けて欲しいと思います。

 また、そもそものところですが、自筆証書遺言書というのは、相続登記の依頼を受けた私たち司法書士や、相続預金の払い出し請求を受けた金融機関からすると、これが本物の有効な遺言書なのかどうか、正直言って判断がつきません。なぜなら遺言者の自筆がどんなものか知りませんので、例えば誰かが偽造して書いたものだとしても、それがわからないからです。法的に内容が有効であるかどうかの判断はできても、そもそも被相続人本人の遺言書なのか、というところが確信できないのです。それは、家庭裁判所の検認手続きを経ていても同じです。

 そういった点をクリアしているのが、公正証書遺言という方法です。確かに多少の費用が掛るというデメリットがありますが、自筆証書遺言の場合でも、遺言書の内容チェックの法律相談を受けたり、家庭裁判所の検認手続きをすると相応の費用がかかります。

 公正証書遺言は、作成には専門家が関与していますし、ネックとなる遺言書の保管も公証役場で行ってくれますので、相続人に「遺言書を○○公証役場に預けてあるから。」と伝えておけばOKです。生前に見つけられてしまう、もしくは誰にも見つけてもらえなかった、という危険もありません。

 自筆証書遺言は、ないよりはあった方がずっとマシ、ですが、遺言書を書くならば公正証書遺言をお勧めします。


相続・遺言、不動産登記、会社・法人登記、自己破産、任意整理、個人再生、成年後見、訴訟等

大阪府守口市駅前の司法書士事務所です。守口市、門真市、寝屋川市、枚方市、大阪市旭区、大阪市鶴見区等の方々からのご相談を多数いただいておりますが、もちろんその他の地域も対応可能です。

 

2014-04-30 16:15:40 | RSS